紫光会活動日記

立教大学体育会剣道部紫光会活動日誌

学徒出陣の遺品67年ぶりに返還

今年8月の日経新聞の記事に掲載された、立教大学で学徒出陣して戦死した渡邊太平さんの遺品の日章旗(武運長久)が米国から返還され10月27日立教大学チャペルに於いて『平和の祈り』特別礼拝が行われました。
今回の返還式の模様は28日の日経新聞・読売新聞等で掲載されました。

日経新聞の記事

太平洋戦争中に学徒出陣し、フィリピン・セブ島で戦死した元立教大生の渡邊太平さんの遺品で元米兵が保管していた日章旗が27日、67年ぶりに日本に戻り、立大で遺族に返還された。
渡邊さんは1943年に学徒出陣、45年に21歳で戦死した。
ポケットに入っていた日章旗を元米兵のアール・ツビッキーさんが抜き取り、戦利品として米国の自宅で60年以上保管していた。
ツビッキーさんは昨年亡くなり、死後遺族が隣人のスティーブン・カーン牧師(51)に旗を託していた。
日章旗には「武運長久」や立大の文字の寄せ書きの他「渡邊」の文字があり、カー牧師が立大関係者を通じて渡邊さんの姪の横尾とし子(58)を探し当てたという。
横尾さんは「(太平さんについて)故人の姉である母から、明るくて家族を心配する人だったと聞いていた。今回の出来事は母と叔父の魂が起こした奇跡だろう」と感動した様子。
カー牧師も「残された家族を少しでも癒すことが出来れば」と話した。
日章旗は立大に寄贈されるという。

追伸
今回の返還に至る経緯は、始めに日章旗の寄せ書きに『立大剣道部小林義司』の名がきっかけとなり、牧師が立教大学を検索して判明しました。
そして米兵と牧師が米国聖公会であり同じ聖公会の立教の渡邊氏と同じ信仰を持つことも稀有な縁で結ばれていました。
始めに立大剣道部OBの斉木先輩と事務局にもこのお話を受け協力させていただきました。
渡邊さんは剣道部紫光会名誉会長の雨宮先輩・小平先輩と同期で上西先輩とはC組みのクラスメートでしたが残念ながら3人とも体調が優れず今回出席できませんでしたが同期で親しい湯浅さんがお見えになりました。
関係者の数多くの方々の懸命な調査活動によりご遺族が判明し今回の特別礼拝が行われたものです。
特別礼拝ではカー牧師のお話は大変意義深い敬虔な思いで語られ会場の方々は感動を覚えました。
また本学吉岡総長からは今回の日章旗の返還の意義と不条理な戦争の悲劇と命の尊さを訴え、同時に二度と学生たちを戦場に向かわせない誓いを述べられました。



神橋先生とS36年卒斉木先輩

剣道部の雨宮先輩・小平先輩・上西先輩と親しい同期の湯浅さんは遺品の数々を見ながら当時の様子をしみじみ語られました。
尚剣道部の小林義司先輩は10年ほど前に故人になられています。